概要
KS-THP2-Mはスマートフォンをリモコン代わりに使える農業ハウス自動開閉器です。環境計測器KS-THP1と同等の環境計測ができ、さらに自動開閉も行えます。本機がWi-Fiアクセスポイントとなるので、ネットワーク機材が不要で、AndroidスマートフォンをWi-Fiで本機アクセスポイントに繋げるだけですぐにお使いいただけます。難しいコンピュータネットワークなどの知識は不要です。
本機のWi-Fi電波圏内(環境により電波有効距離半径10〜50m)であればどこからでも開閉操作や環境計測値の確認ができるので、操作や確認のために本機まで戻る必要はありません。操作や確認にはAndroidスマートフォン用アプリケーション「KSRoller」または「KSWatch」のアプリアイコンをタッチ1回、起動するだけです。
環境計測機能は温度、湿度、気圧を最大2系統、土壌電導度、土壌水分、土壌温度、Co2、日射、降雨、風向、風速から最大3系統の全5系統までの同時モニタリングが可能です。計測値の確認はKSWatchアプリを使って手元で簡単に確認することができます。
開閉機能は、温度や雨、強風などでの自動閉制御はもちろんのこと、強風時の風上側だけ止めたいという時の任意箇所自動制御一時停止や手動操作などKSRollerを通して手元で簡単に行うことができます。
自動開閉機能
1モーター制御モデルと4モーター制御モデルの2種類をご用意しております。温度、湿度による自動開閉機能、オプションの降雨センサーや風センサーを組み合わせれば、降雨時や強風時に自動で閉動作することができます。開閉動作を行う各モータは、それぞれ独立した設定で自動開閉設定が行えます。開閉条件は温度湿度気圧センサ1系統とその他のセンサー1系統から組み合わせることが可能です。これにより、よりきめ細やかに施設の管理ができます。
KS-THP2-Mの各モデルと使用例は下記のようになります。これ以外にも谷換気・肩換気など様々な状況に対応可能ですので、ご不明な点はお問い合わせください。
モデル | 対応モータ数 | 使用例 | |
KS-THP2-M2 | 2台 |
![]() 1重ハウスでの標準構成 初春の水稲育苗ハウス 通期施設野菜ハウスなど |
![]() 1重ハウスでハウス左右をより 精度よく温度管理する場合 |
KS-THP2-M4 | 4台 |
![]() 2重ハウスの内ハウス外 ハウスの腰換気 |
![]() 2重ハウスでハウス左右を より精度よく温度管理する場合 |
![]() 1重ハウスの2棟を 1台のKS-THP2-M4で管理 |
![]() 1重ハウスの肩腰の開閉 ※別途肩用保持パイプ必要 |
便利な機能
KS-THP2-Mにはたくさんの便利な機能が搭載されています。これらの機能により施設の管理をより適切により省力化します。
安全停止機能
本機は各モーターを独立して監視しています。ビニールやハウスバンドなどを巻き込み施設に損害がでるような負荷が高まった場合に自動的に停止する機能があります。負荷検知はお使いの施設に応じた設定できるのでどのような施設でも対応できます。また停止時には専用アプリKSRoller上に通知が入ります(自動受信ではありません)。
自動制御一時停止機能
本機は各モーターを独立して制御しています。風向きや立地等で片側は少し開けたまま止めておきたい場合などに、自動制御一時停止機能で状態を一時固定することができます。
感度調整機能
本機は自動制御モードでは、センサー指定値を超えると自動的にモーターを制御しハウスの開閉動作を行います。作物の日々の管理では今日は温度を高めに管理したい、今日は低めに管理したい、ということがあります。その際に基本管理温度±何℃という日々の微調整ができます。
開強度調整機能
本機は自動制御モードでは、指定温度を超えると自動的にモーターを制御しハウスの開閉動作を行います。この際に開く幅の強弱を任意で設定することができます。これにより、季節や施設の立地環境などによる換気効率の違いを調整することが可能になります。
雨センサー対応
本機に雨センサー(KS-THP1-S7)を付けることで、自動制御モードでは雨を検知した場合に自動的に閉めることができます。これにより不意の雨でも施設内の作物を守ることができます。
風センサー対応
本機に風センサー(KS-THP1-S8)を付けることで、自動制御モードでは強風を検知した場合に自動的に閉めることができます。これにより突然の強風でも施設内の作物を守ることができます。
手動スイッチ(オプション)
スマホを取り出すのが面倒なとき、故障したときなどの際に便利な「手動スイッチオプション」は、制御器の前にいれば開閉が可能です。
各種ケーブル延長(オプション)
センサー、モーターなど設置場所に応じたカスタマイズが可能です。お見積り時に施設概要をお申し付けください。
アップグレード可能(有償)
ネットワークアクセスやクラウド機能を使いたくなったらKS-THP1-M相当にアップグレードが可能です。
Androidスマートフォン用アプリケーション
主に以下の2つのAndroidアプリケーションを使って運用します。アプリはAndroidスマートフォンにインストールすれば、本機に接続後すぐにお使いいただけます。煩わしい設定は何もありません。
![]() 本機の計測値確認はリモート操作アプリケーション「KSWatch」で行うことができます。 |
![]() 本機での開閉操作や開閉感度の調整などはリモート操作アプリケーション「KSRoller」で行うことができます。 |
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構成
その他、取扱説明書等
KS-THP2-Mは本体1と、必要数に応じた2〜3、選択可能なセンサー群4〜9から構成されています。センサーはモニタリングに必要なものだけ選択して使えるので無駄なコストを省きます。4の温度湿度気圧センサーKS-THP1-S1は最大2系統、その他のセンサーは最大3系統の中から選択いただけます。
制御ユニット各部詳細
開閉モータ詳細
WEB設定画面
基本設定は本機を設定モードで起動してブラウザで行うことができます。
トップメニュー | Wi-Fi設定画面 |
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センサー設定 | 開閉動作設定 |
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開閉制限設定 | 自動開閉設定 | 開閉動作テスト |
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運用
セットアップが完了したら電源を入れた直後から計測を開始し、モータの制御を行います。初めにKSWatchを使って現在値が正しく計測しているか確認してください。そしてKSRollerを使って開閉(モータ)が正常に稼働するか確認します。開閉動作が逆になったり、最大幅まで開閉が行えるか確認してください。
電源投入直後、起動を示す運転ランプ点滅があり、その後間もなく運転ランプが点灯し1回目の計測と制御を開始します。2回目以降は指定したインターバルで計測およびモータ制御を行います。
機器仕様
センサー部
項 目 | 詳 細 | 備 考 |
温度・湿度・気圧センサ |
温度
測定範囲:-40℃〜85℃
湿度
精度:±0.5℃(25℃)±1.0℃(その他) 分解能:0.01℃
測定範囲:40%RH〜100%RH
気圧
精度:±3.0%RH 分解能:0.008%RH
測定範囲:300hPa〜1100hPa 精度:±1.0hPa
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土壌電導度センサ | 0〜4095(空中:0 水中:約1500〜) |
生値(EC値ではありません) 土壌環境により変動あり |
土壌水分センサ |
精度:±3%VWC(8dS/m以下の砂質土壌) 砂、ローム、黒ボクに対応 |
防水 土壌環境により変動あり |
土壌温度センサ | 精度:±2度℃ | 先端部防水 |
二酸化炭素センサ |
0〜2000ppm 精度:±3% | |
日射センサ |
0〜1000W/u 精度:±10% | 防水 |
巻上モータ部
ハウス長 | 〜50m | 〜100m | 〜120m | 〜160m |
消費電力 | 50W | 80W | 100W | 130W |
トルク | 40N.m | 60N.m | 80N.m | 100N.m |
巻上 |
速度3.8rpm 回転リミット25回転 |
速度3.8rpm 回転リミット35回転 |
速度2.8rpm 回転リミット35回転 |
速度2.8rpm 回転リミット55回転 |
巻上長 |
巻上パイプ22Φ時 約1.7m |
巻上パイプ22Φ時 約2.4m |
巻上パイプ22Φ時 約2.4m |
巻上パイプ22Φ時 約3.7m |
電圧 | DC 24V | |||
サイズ | 225mm × 95mm × 150mm (100m用) | |||
重量 | 約3kg (100m用) |
サイズ | 280mmx380mmx130mm | 突起等除く |
重量 | 3〜6kg(ケーブル除く) | 構成による |
電源 | 商用電源100V〜200V | |
動作環境 | 温度:-20℃〜50℃ 簡易防水 | ただし結露しないこと |
インターフェイス | Wi-Fiアクセスポイント(802.11 b/g/n/e/i) | |
機能 |
測定間隔:2分〜4時間間隔 測定値校正(1次) オフセット追加 ブラウザから簡単設定 スマートフォンから簡単確認 | |
アクセサリ |
ボックス固定金具(柱用、壁用) モータ固定金具(肩用、天井用)制御モータ増設ボックス | |
別途必要な資材 |
開閉機構構造(リブラントチューブ、ガイドパイプ等) モータ配線延長用配線など |